-
映画に隠れたイデオロギーを読み解く『スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2』10月8日より公開、京都での上映も決定
-
2016.10.07 Friday 18:03
映画『スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2 倒錯的イデオロギー・ガイド』が、10月8日(土)より東京のシアター・イメージフォーラムにて公開される。
40本以上の歴史的名作映画を引用し、映画の新しい見方を提示した前作『スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド』に続く本作。
映画や戦争など多岐にわたる題材をラカン派精神分析の視点から語り、世界的に評価されているスロヴェニア出身の哲学者で、「映画は究極の倒錯的表現である」とするスラヴォイ・ジジェクが、映画に隠れたイデオロギーを読み解くドキュメンタリーだ。
劇中では、『タクシードライバー』や『ジョーズ』などの名作から、近作『ダークナイト』に至るまで、有名映画の一場面を引用。時にはセットも再現する徹底ぶりで、ナチズム、共産主義、資本主義、スターリニズム、民主主義、テロリズム、大量消費主義といったイデオロギーの核心に迫る。
監督は、前作に引き続き、俳優のレイフ・ファインズの妹でジョセフ・ファインズの姉、ソフィー・ファインズが務める。ファインズ監督は、『数に溺れて』や『コックと泥棒、その妻と愛人』でピーター・グリーナウェイ監督に師事。以後バレエ界の異端児マイケル・クラーク、アラン・プラテルを題材とした作品を発表している。
なお、本作は、11月26日(土)から京都の立誠シネマでの上映も決定している。
本作で引用・解説される映画
『意志の勝利』(1934)監督:レニ・リーフェンシュタール
『永遠のユダヤ人』(1940)監督:フリッツ・ヒップラー
『逢びき』(1945)監督:デイヴィッド・リーン
『ベルリン陥落』(1950)監督:ミハイル・チアウレリ
『捜索者』(1956)監督:ジョン・フォード
『ウエストサイド物語』(1961)監督:ロバート・ワイズ+ジェローム・ロビンス
『サウンド・オブ・ミュージック』(1964)監督:ロバート・ワイズ
『ブロンドの恋』(1965)監督:ミロシュ・フォアマン
『東京オリンピック』(1965)監督:市川崑
『セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身』(1966)監督:ジョン・フランケンハイマー
『火事だよ!カワイ子ちゃん』(1967)ミロシュ・フォアマン
『プラハのためのオラトリオ』(1968)監督:ヤン・ニェメツ
『if もしも…』(1969)監督:リンゼイ・アンダーソン
『M★A★S★H』(1970)監督:ロバート・アルトマン
『砂丘』(1970)監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
『時計仕掛けのオレンジ』(1971)監督:スタンリー・キューブリック
『キャバレー』(1972)監督:ボブ・フォッシー
『ジョーズ』(1975)監督:スティーブン・スピルバーグ
『タクシードライバー』(1976)監督:マーティン・スコセッシ
『未来世紀ブラジル』(1985)監督:テリー・ギリアム
『フルメタル・ジャケット』(1987)監督:スタンリー・キューブリック
『最後の誘惑』(1988)監督:マーティン・スコセッシ
『ゼイリブ』(1988)監督:ジョン・カーペンター
『タイタニック』(1997)監督:ジェームズ・キャメロン
『アイ・アム・レジェンド』(2007)監督:フランシス・ローレンス
『ダークナイト』(2008)監督:クリストファー・ノーラン
【作品情報】
『スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2 倒錯的イデオロギー・ガイド』
原題:Pervert’s Guide to Ideology
監督:ソフィー・ファインズ
脚本・出演:スラヴォイ・ジジェク
2012年/イギリス・アイルランド/ステレオ/134分
配給:ダゲレオ出版
特設ページ:http://www.imageforum.co.jp/zizek2
10月8日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて上映