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ポーランド映画の巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作『残像(原題)』2017年6月に岩波ホールにて公開決定
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2016.10.22 Saturday 21:58
10月9日に急逝したポーランド映画の
巨匠アンジェイ・ワイダ監督の最新作であり遺作となった『残像(原題)』 が、2017年6月に岩波ホールにて公開されることが決定した。 ワイダ監督は、ワルシャワ蜂起など史実に材を取った作品を撮り続け、
レジスタンスの体験を基にした『世代』(54)、 対ソ連の地下抵抗運動を描いた『地下水道』(56)、第2次大戦前後のポーランド社会の流転を描いた『 灰とダイヤモンド』(58)など、「抵抗3部作」 で国際的な評価を獲得。1981年にカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞し、 2000年には米アカデミー賞名誉賞を受賞した。 公開が決定した『残像(原題)』は、アヴァンギャルドなスタイルで有名なポーランド人画家、
ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの生涯を描いた物語。 1945年、スターリンがポーランドへと侵略の手を伸ばす中、ストゥシェミンスキは社会的リアリズムの方針と自身のアートが歩 み寄ることを拒否。そのことから迫害され、 大学の教授の椅子から追放され、 美術館の壁からも作品は排除された。数名の学生たちの協力を得て彼は党に対して闘いを挑み、文化人の全体主義 ( 個人の全ては全体に従属すべきとする思想または政治体制の1つ) に対するアーティスティックなレジスタンスのシンボルとなった。 『残像(
原題)』は、2017年6月、岩波ホールほか全国ロードショー。 ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ
1893年11月21日〜1952年12月28日、ミンスク生まれの画家。マレーヴィチの助手を経て、 彫刻家の妻カタジナ・コブロと共にポーランド前衛芸術の地盤を築いた。1924年ポーランドに移住。「 空間概念の操作に基づく超時間的絵画」 をめざすウニズムを唱えた。全作品はウッチ近代美術館に所蔵されており、1930年〜 34年の作品は非具象の古典といわれる。代表作に「海の風景」( 34年)、「ウニズム的コンポジション」など。 【作品情報】
『残像(
原題)』 原題:Powidoki
英題:AFTER IMAGE
監督:アンジェイ・ワイダ
脚本:アンジェイ・ワイダ、アンジェイ・ムラルチク
撮影:パヴェウ・エデルマン
出演:ボグスワフ・リンダ、ゾフィア・ヴィフラチュ
2016年/ポーランド/ポーランド語/98分/カラー/シネスコ/ドルビー5.1ch/DCP
2017年6月、岩波ホールほか全国順次ロードショー