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カンヌ監督賞受賞のクリスティアン・ムンジウ監督新作『エリザのために』エリザ役の女優マリア・ドラグシの特別インタビュー掲載
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2017.01.11 Wednesday 19:57
© Mobra Films - Why Not Productions - Les Films du Fleuve – France 3 Cinéma 2016
映画『エリザのために』が、2017年1月28日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開される。このたび、本作で娘エリザ役を務め、過去にはミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン』も出演した経験を持つ女優マリア・ドラグシのインタビューが到着した。
本作『エリザのために』は、イギリス留学を控える最愛の娘エリザの留学をかなえるべく、あらゆるツテとコネを駆使し奔走する医師の父親ロメオの緊張感みなぎる5日間を描いたルーマニア映画。第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞した。
監督・脚本・製作を務めたクリスティアン・ムンジウ監督は、これまでに、『4ヶ月、3週と2日』で第60回カンヌ映画祭最高賞パルムドールを受賞をしたほか、『汚れなき祈り』では第65回カンヌ映画祭女優賞&脚本賞のW受賞を果たしている。
以下、本作で娘エリザ役を務めたマリア・ドラグシのインタビューを掲載。
マリア・ドラグシ (c)Kazuko Wakayama
Q、子供のころから俳優をしていたようですが、演技をするきっかけは?
もともと俳優になろうと思ったわけではなく、ダンサーになりたかったんです。バレエ学校に7年間通い、クラッシックのバレリーナを目指していました。その頃『白いリボン』(ミヒャエル・ハネケ監督)に出演して、そこで初めてヨーロッパ映画について勉強をしました。ドイツ映画ばかりでなく、フランス映画とか、その詳細にまで気を配った映画作りについてを。そしてとても刺激を受け、映画に興味が湧いたのです。それでヨーロッパ映画についていろいろ調べたりしました。クリスティアン・ムンジウ監督にはベルリン映画祭の新人プログラムで知り合ったんです。そしてこの素晴らしい映画への参加が実現しました。
Q、リハーサルはどのくらいしたのですか?
撮影前の1週間リハーサルをしました。全部のシーンを現場でリハーサルしたんです。カメラの位置なども決めて、正確に演技ができるようにしました。キャスト全員とリハーサルし、バイクの運転も習いました。私は運転免許を持っていなくて、先生について習いました。クールな経験だったわ。
© Mobra Films - Why Not Productions - Les Films du Fleuve – France 3 Cinéma 2016
Q、お父さんはルーマニア人だそうですが、教えてもらったことで大切なことは?
父はルーマニアからの移民で東ドイツへ行きました。母はドイツ人で、ドイツで生まれ育った人です。近所にはルーマニアの家族がいたので、ドイツにいてもルーマニア人の中で育ちました。同世代の子供もいて、まるで従妹のように育ったんです。母もルーマニア語を習得して流暢に話せるんですよ。自分がドイツ人なのかルーマニア人なのかははっきりと決められないです。自分のことを何人と決めるのは難しい。ルーマニアの文化や習慣の中で育ちましたが、具体的に両国の違いを指摘するのは難しいですね。ルーマニアのほうが家族のつながりが強いというか。汚職もそんな土壌から出てきているのですが、“私があなたを助けるから、あなたは私を助ける”というような関係があるんです。人びとが頼りあって生きている。人びとの絆は強まるけれど、逆にあなたの助けはいらないと断ることもできないというか…。
Q、演じるキャラクター、エリザの立場をどう思いますか?
この映画で父親がやったことに共感はできます。昨晩父と一緒にこの映画を見たのですが、父は映画の中の父親がやったことを自分もやるに違いない、と言ったのです。世界の誰もが共感できる物語なのだと思います。父親がなぜあんなことをするのか、誰もが理解できると思うのです。
【作品情報】
『エリザのために』
原題 BACALAUREAT 英題:GRADUATION
監督・脚本・製作:クリスティアン・ムンジウ『4ヶ月、3週と2日』、『汚れなき祈り』
出演:アドリアン・ティティエニ、マリア・ドラグシ、ヴラド・イヴァノフ
2016/ルーマニア・フランス・ベルギー/カラー/ルーマニア語/128分
映倫:Gマーク 後援:ルーマニア大使館
配給:ファインフィルムズ
© Mobra Films - Why Not Productions - Les Films du Fleuve – France 3 Cinéma 2016
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/eliza/
2017年1月28日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開